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整理整頓のひみつ

主な登場人物

人々
博士:なんでも知ってる偉い人。 Neutral / Neutral。
蟹太:好奇心旺盛な少年。 Neutral / Chaos。
通子:蟹太君の友だち。 Dark / Neutral。
ムサビー:熾天使。 Light / Law。

博士
「なんてこった……」

蟹太
「よお博士おかえり。
 机の上が汚いから片付けておいたよ。偉いだろ。駄賃くれ」

博士
「では、わしの机を無断で整理整頓したのは蟹太君、君か」

蟹太
「そうだよ。あんまり汚いから適当に片付けておいた。
 偉いだろ。駄賃くれ 」

博士
「適当……、適当だと……!
 貴様……ッ!」

蟹太
「なんだよ博士、血相を変えちゃって。
 勝手に触ったらまずかった?
 でも片づいたんだからいいじゃん。駄賃くれよ」

博士
「いいか蟹太少年。世界とは混沌と秩序の折衷である。
 世の中は秩序だけでは構成されていないし、また混沌だけでもない。
 両方含んでいるのだ。それが世界。あらゆる世界、系、システムと言い換えてもいいが、これらは秩序と混沌の両方を含んでいる。 どちらか片一方だけで構成されていると言うことはないのだ。
 とすれば、他人から見て完全な混沌状態にあったわしの机も、 わしの目から見ればある程度の秩序を有していた点において、まさしく世界であった。
 わしにとっては均衡のとれた世界であったのだ。
 それを適当に整頓するということは、誰から見ても分からない、 純粋な混沌にしてしまう行為に他ならない。
 わしにとっては世界の崩壊だ」

蟹太
「ふーん。
 つまり、どういうこと?」

博士
「つまり、わしの机を、片付けるな!」



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