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またカニバールのひみつ
時は５月の昼下がり、風は爽やかな雨上がり。
横浜市郊外は今日も平和であった。
だが、なんということだ！。
今日も今日とて悪の博士が、怪人を引き連れて
毎週恒例の破壊活動に従事しだしたのだ！。
横浜市郊外は今日も平和であった。
だが、なんということだ！。
今日も今日とて悪の博士が、怪人を引き連れて
毎週恒例の破壊活動に従事しだしたのだ！。
マベロードのツラの皮にかけて、＜混沌＞よ来たれ！。
さあ、怪人トリフィド女よ、町を破壊してしまうのだ。
エントロピーは増大の１歩をたどるしかないと、
愚かな人類に教えてやるがいいわ！。
さあ、怪人トリフィド女よ、町を破壊してしまうのだ。
エントロピーは増大の１歩をたどるしかないと、
愚かな人類に教えてやるがいいわ！。
悪の博士
トリフィド〜！。
トリフィド女
うわっ、これはひどい。
怪人トリフィド女が、頭頂に生えた有毒触腕を振るうたび、
なぜかビルは倒壊し車は爆発炎上した。
誰か、誰か助けて！。
怪人トリフィド女が、頭頂に生えた有毒触腕を振るうたび、
なぜかビルは倒壊し車は爆発炎上した。
誰か、誰か助けて！。
うわっははは。
その調子だ、怪人トリフィド女！。
世界を恐怖と混乱のずんどこに叩き落とすがよい！。
アリオッチ、アリオッチ、御身に血と頭髪を捧げる！。
その調子だ、怪人トリフィド女！。
世界を恐怖と混乱のずんどこに叩き落とすがよい！。
アリオッチ、アリオッチ、御身に血と頭髪を捧げる！。
悪の博士
ああ、このまま人類文明は無窮の淵に沈んでしまうのだろうか。
世界のピンチにさっそうと駆けつけ、
とてもすごい力で事態を打開するヒーローはいないのだろうか。
はい、ここでカメラは物陰から様子をうかがっている少年を映します。
世界のピンチにさっそうと駆けつけ、
とてもすごい力で事態を打開するヒーローはいないのだろうか。
はい、ここでカメラは物陰から様子をうかがっている少年を映します。
くそう、こいつはひどいぜ。
悪の博士め、非人道的なふるまいをしやがる。
このまま黙って見ていると、俺のジャスティスが死ぬ。
変身だ、ムサビー！。
悪の博士め、非人道的なふるまいをしやがる。
このまま黙って見ていると、俺のジャスティスが死ぬ。
変身だ、ムサビー！。
蟹太少年
ＯＫだ、蟹太くん！。
ムサビー
バッカお前、往来で気安く名前を呼ぶなよ。
変身直前なんだぞ。
正体がバレたらどうすんだよ。
お前が責任とってくれるのかよ。
変身直前なんだぞ。
正体がバレたらどうすんだよ。
お前が責任とってくれるのかよ。
蟹太少年
とにかく変身するんだ。
ムサビー
うんわかった。
蟹太少年
そう、このいっけん冴えない蟹太少年は、
実は機動外骨格カニバールの中身だったのだ。
いま、蟹太少年は脱皮変身によってカニバールへと姿を変えた。
なお、変身シーンは気分が悪くなるほどグロいのでお見せできない。
それと、怪生物ムサビーは変身とかにはいっさい関わらない。
実は機動外骨格カニバールの中身だったのだ。
いま、蟹太少年は脱皮変身によってカニバールへと姿を変えた。
なお、変身シーンは気分が悪くなるほどグロいのでお見せできない。
それと、怪生物ムサビーは変身とかにはいっさい関わらない。
トリフィド〜！。
トリフィド女
チャードロスの鎌にかけて、いいンじゃないのコレ。
今週こそは地球人類に勝てる気がする。
今週こそは地球人類に勝てる気がする。
悪の博士
悪の博士がいい気になって眼鏡を光らせたその時！。
どこからともなく飛来したハサミが、
その頭髪の抜け落ちた脳天に突き立った。
どこからともなく飛来したハサミが、
その頭髪の抜け落ちた脳天に突き立った。
あ痛！。
な、何者か！。
な、何者か！。
悪の博士
カニバールです。
カニバール
おのれこしゃくなカニバールめ。
機動外骨格カニバールめ。
しょうこりもなく、今週もまたやられに来おったか。
ええい、トリフィド女、奴をひねりつぶしてしまいなさい。
機動外骨格カニバールめ。
しょうこりもなく、今週もまたやられに来おったか。
ええい、トリフィド女、奴をひねりつぶしてしまいなさい。
悪の博士
トリフィド〜！。
トリフィド女
うなれわが右腕！。
必殺、カニバールシザース！。
必殺、カニバールシザース！。
カニバール
絵を用意してないのでわかりづらいと思うけど、
カニバールの右腕には巨大なハサミがあるんだ。
このカニバールシザースを使った攻撃こそが、
武器にとぼしいカニバールの、ゆいいつの必殺技なんだぜ！。
カニバールの右腕には巨大なハサミがあるんだ。
このカニバールシザースを使った攻撃こそが、
武器にとぼしいカニバールの、ゆいいつの必殺技なんだぜ！。
トリフィド〜！。
トリフィド女
あっ！。
カニバールはとても弱いので、怪人トリフィド女の触腕攻撃を受け、
あっさりとカニバールシザースを砕かれてしまったぞ。
ピンチだ、カニバール！。
カニバールはとても弱いので、怪人トリフィド女の触腕攻撃を受け、
あっさりとカニバールシザースを砕かれてしまったぞ。
ピンチだ、カニバール！。
うわーっ！。
カ、カニバールシザースが！。
カ、カニバールシザースが！。
カニバール
フッフフフ。
武器をやられては手も足も出まい。
さあトリフィド女、とどめをさすのだ！。
武器をやられては手も足も出まい。
さあトリフィド女、とどめをさすのだ！。
悪の博士
お、俺のカニバールシザースが……！。
いくつもの戦闘をともにくぐり抜けてきた戦友が……！。
いくつもの戦闘をともにくぐり抜けてきた戦友が……！。
カニバール
愛用の武器を失い、ぼうぜん自失となるカニバール。
なんか、今回も負けっぽいね。
なんか、今回も負けっぽいね。
いいや、そうはさせないぞ！。
蟹太くん、右腕を挙げて「カニバールタイド」と叫ぶんだ！。
蟹太くん、右腕を挙げて「カニバールタイド」と叫ぶんだ！。
ムサビー
だから本名で呼ぶなって言ってんだろ。
カニバール
とにかく叫ぶんだ。
ムサビー
うんわかった。
カニバールタイド。
カニバールタイド。
カニバール
するとどうだ！。
カニバールの叫んだキーワードにこたえ、
海底のカニバール秘密基地から新兵装が瞬時にして転送され、
いい具合にカニバールの右腕に収まったのだ！。
カニバールの叫んだキーワードにこたえ、
海底のカニバール秘密基地から新兵装が瞬時にして転送され、
いい具合にカニバールの右腕に収まったのだ！。
こ、これは……！。
カニバール
それはかたちこそカニバールシザースとかわらないものの、
大きさが以前の何倍もある巨大なハサミだった。
カニバールの体には不釣り合いなほど巨大なそれは、
とにかくでかいのでぶつけるだけですごい威力がありそうだ！。
大きさが以前の何倍もある巨大なハサミだった。
カニバールの体には不釣り合いなほど巨大なそれは、
とにかくでかいのでぶつけるだけですごい威力がありそうだ！。
新兵器「シオマネキャンサー」だ！。
ムサビー
名前ダサいな。
カニバール
えーそうかな。
ムサビー
っていうか重……、あっ。
カニバール
アンバランスな大きさのハサミを右腕につけたカニバールは、
立っていられなくて転んでしまった。
立っていられなくて転んでしまった。
トリフィド〜！。
トリフィド女
不幸なことに、怪人トリフィド女は、
巨大なハサミ「シオマネキャンサー」に潰されてしまった。
これは、運がなかったね。
巨大なハサミ「シオマネキャンサー」に潰されてしまった。
これは、運がなかったね。
ちくしょう覚えてろよ。
悪の博士
怪人を作る以外に能がない悪の博士は、
身の危険を感じてすたこらさっさと逃げてしまった。
ということは、あれ、カニバール勝ったんじゃない？
初めてだよ勝ったの。
ということは、あれ、カニバール勝ったんじゃない？
初めてだよ勝ったの。
なんとか撃退することができたか……。
しかし、代償も大きかった。
しかし、代償も大きかった。
カニバール
俺は、戦友を失ってしまった。
戦友、カニバールシザース……。
あばよ、お前とともに戦ってきた記憶を、俺は生涯忘れない。
戦友、カニバールシザース……。
あばよ、お前とともに戦ってきた記憶を、俺は生涯忘れない。
蟹太少年
変身を解いた蟹太少年のほほに、涙がつたった。
愛用の武器の思い出が、走馬燈のように脳裏をよぎる。
愛用の武器の思い出が、走馬燈のように脳裏をよぎる。
カニバールシザース？。
あんなの、すぐに直るよ。
あんなの、すぐに直るよ。
ムサビー
蟹太少年
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